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  • 執筆者の写真Tsunehisa Araiso

植物の栄養摂取 ―有機物も無機物に分解されて摂取される―

更新日:2月10日


植物は何を栄養として育つのか?

栄養と言えば肥料を指すのが一般的だが、ここではもう少し栄養の意味を広げて、植物が必要とするエネルギーについても考えよう。

植物にとってのエネルギーの源は、太陽の光エネルギーだ。この意味で植物の最大の栄養は光エネルギーであるとも言える。

次いで水と二酸化炭素。言わずと知れた光合成の二大役者だ。これらの物質には炭素、水素、酸素が含まれる。光エネルギーを用いて水と二酸化炭素を分解し、再構成して有機物とし植物体を作る。葉の持つ緑の微細顆粒、葉緑素は小さな大工場。工場でのプレーヤーはタンパク質だが、これを作るのに窒素とリン、それに微量ではあるが硫黄、マグネシウム、鉄が必要だ。部屋の仕切りになる脂質を作るにもリンが必要だ。さらに、工場の環境整備、情報伝達にカリウム、カルシウム、ナトリウム、ホウ素がいる。これらが肥料と称される栄養群である。

肥料はどこから取り込まれるのか?

大部分の肥料成分は根から取り込まれる。写真は発芽して二日目のラデッシュの根。細かい毛根がぎっしり伸びて、一つの肥料分子も逃すまいと準備をしている。肥料分子はこの毛根の細胞膜を透過しなければならない。透過できるものはほぼ無機分子だけなのだ。葉から肥料を取り込ませるための「葉面散布」でも事情は変わらない。

自然の土に入れた有機肥料は土壌細菌によって分解され無機分子となって植物に取り込まれる。有機肥料には土の団粒化(つぶつぶになって水はけを良くし、酸素を含む空気を通す構造)を進め、長期間肥料効果を持つので自然の土では重要な働きを持つ。

では、無菌人工土壌はどう考えて設計すればよいのだろう。次回のブログで考えることにしよう。


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