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  • 執筆者の写真Tsunehisa Araiso

~ なぜファラオは虫を神にしたのか ~

更新日:2023年5月13日

こんにちは! ラテラのCTO、荒磯恒久です。古代エジプトの王が考えていた神聖な虫について、現代の目から見てみます。

古代エジプトの神聖文字(ヒエログリフ)は究極のアイコンだ。人、鳥、動物、道具などが見事に簡潔なデザインで表されている。その中で昆虫を模(かたど)ったものがあり、不思議であり衝撃的だった。それこそが古代エジプトで神になった神聖な虫、「フンコロガシ」である。尊敬を込めてこれからは古代エジプトでの名前「スカラベ」と呼ぼう。


スカラベは草食動物のフンを見つけるとそれを切り出し、自分の体より大きく丸めて、足で転がして運ぶ。

まず第一に、真ん丸の玉を運ぶ姿が、古代エジプト人に、太陽を運ぶ神「ラー」の姿を想起させた。当時、エジプトでは太陽は太陽神ラーが東から天空を通って西へ運ぶものと思われていたのだ。

そして第二には、その玉の中から玉自体を転がしているスカラベと同じ形の生命が創造されることだ。永続的に生命を創造する姿とラーの姿が融合して、創造神と太陽神の神格を獲得した。ファラオはこの神格を自身の能力に結び付けスカラベを祭った。王の名前の一部にもした。大家の谷の墳墓には並み居る神々と並んでスカラベが描かれている。(写真)

当時、スカラベはオスだけしか存在しないと信じられ、子はオスから創造されると思われていたらしい。これも神聖さの一つだった。このことからスカラベは兵士たちに圧倒的人気で、彼らは指輪にして身に付け、お守りにしていたとか。

この神話は虫よけのヒントを与えてくれる。

現代の我々は、メスのスカラベがフンの中に卵を産み、孵化した幼虫がフンの中の有機物を食べて成長し、蛹となり、成虫になることを知っている。実にうまいシステムだ。昆虫によってはフンを好むもの、根を好むもの、葉や腐葉を好むものなど多様だが、幼虫はどれも餌の中の有機物を得て成長する。

ならば、幼虫の生育環境から有機物を取り去ればどうなるか。答えは簡単、卵から孵化した幼虫は成長できずミイラ化する。コバエが卵を産み付けても、そこからコバエが発生することはない。殺虫剤は要らない。

では植物は? 太陽の光を使って水と二酸化炭素と、多少の窒素・リン・カリなどの無機イオンがあればスクスクと育つ。幼虫はこれらの無機物質があっても育たない。

無菌人工土壌のからくりはここにある。実に単純なことだったのだ。土壌から有機物を取り去れば良いのだ。しかし、一つ注意がいる。それは、外から入ってきた虫が植物の葉に卵を産んだときは、それが孵化して、幼虫が葉を食べて成長する可能性がある事だ。侵入してきた虫にはご注意を。


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