東風を「あゆの風」と、大友家持は奈良時代に詠みました。万葉集に載っています。「あゆ」は「あい」、「あえ」とも呼ばれる日本海沿岸に広く吹く幸をもたらす風です。家持は当時、越中守(えっちゅうのかみ=今の知事)として富山県に赴任していました(746-751年)。ここで「あゆの風」を知ったのです。後世、あゆ(あい)の風はもっと北寄りで東の風ではないのでは? といった疑問も出ましたが、北大名誉教授の前野紀一氏は「湾曲した富山湾内の沿岸では、海から吹く風は、少し場所がずれると北風にも東風にもなる。必ずしも家持の考え違いとする必要はないであろう。」と述べておられます。(藤女子大学 QOL研究所紀要:The Bulletin of Studies on QOL and Well-Being,Vol.6,No.1,Mar.2011)
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